diary
ウルトラマンサーガ

2012年3月26日鑑賞

 今回の映画では「光・闇・絆・奇跡」という言葉はNGワードとされたそうです。

 …冒頭。地球、誰一人いない街。
と思いきや、郊外の基地の様な所から発進した機体・Uローダー。操縦するのは全員若き女性。この世界で生き残っている者は彼女達だけなのか?Uローダーはスーパーの前に降りると、女性達は急ぎ足で買い物をする。
店内にも客や店員はいない。すると地底から怪獣アーストロンが現れた!
 この様な出来事はここではよくある事なのか、彼女達のリーダーと思われる女性がUローダーで仕掛けていた道路に積まれたドラム缶まで怪獣を誘導、爆発しアーストロンは穴に脚を取られる。
しかしピンチに。その前に現れた…一体の巨人。
 巨人…ウルトラマンダイナは圧倒的パワーでアーストロンを倒す。

 …その頃。別宇宙で敵との戦闘中のウルトラマンゼロは、地球の危機を知らせる誰かの声を聞き、地球へと向かい飛び立つ。

 …そして光の国でも異変を感じるウルトラ兄弟達。怪獣墓場から次々と怪獣が連れ出されている…そこには謎の巨大な敵の存在が。

 …さらに別宇宙、ネオフロンティアスペース。アスカ・シン=ウルトラマンダイナが行方不明になってから15年、アスカは太陽系を守った英雄として扱われていた。
しかしその事をあまり快く思っていない者がいた。スーパーGUTSマーズのルーキー、タイガ・ノゾム。戦闘機の腕はいいらしいが、かなり…チャラい★

 そこに謎の宇宙生命体スフィアが現れ、タイガは出動。さらにスフィアを取り込む謎の巨大円盤が現れる。
タイガは乗った機体のまま光に包まれ消えてしまう。
 気が付くとそこは地球。目の前では駆けつけたゼロが敵と空中戦。地上にいた一人の少年に危険が迫る。タイガは少年に向かって落ちて行く火球に機体ごと飛び込む!
ゼロは爆発の中からタイガを救い、彼の体の中へ…。

 …前作『ウルトラマンゼロ 超決戦!ベリアル銀河帝国』での平行宇宙(マルチバース)の設定のおかけで、各世界への行き来が便利になりましたw!
冒頭のスーパー買い出しシーンは『うる星やつら ビューティフルドリーマー』みたいです。
 今回の主人公タイガは演じるDAIGOのキャラに近く、本人に合わせたキャラ作りをしている印象です。演技がどうとかより、味。
 冒頭はウルトラ兄弟(マン・セブン・帰りマン・A・レオ)も登場しますが、今回はこの部分だけ。兄弟目当てだとかなりガッカリ…でも今回はこれで良いと思います。
 ダイナの世界ではかつての仲間達も登場。一人おりませんが…★まあそこは大人の事情?が…。アスカ、教科書にも載るくらいの扱いになってたw。
「『君だけを守りたい』と君が言ったから ○月○日はアスカ記念日」w。
リョウは隊長になってた。『ダイナ』放送時より今の方が何かいい。独身の様な気がする。
Uローダー、気に入りました。がっしゃんがっしゃんした動きがいい。
 …しかしマルチバース、本当に便利ですね!

 …タイガが目覚める。少年も無事だった。するとタイガしか聴こえない声が…。
ゼロがタイガの中にいると知り激しく嫌がるタイガ!あの女性達が来る。少年の知り合いらしい。少年…タケルは口がきけない様で、危険なのにしょっちゅう一人で出かけるらしく、女性達も手を焼いている様子…。

 続いてグビラが現れる!そこにウルトラマンコスモスが!コスモスはグビラを攻撃せず、大人しくさせる。帰って行くグビラ。コスモスはムサシに戻る。
ムサシも何者かの声を聴きこの地球にやって来た。
 彼女達が暮す小さい基地に招かれたタイガとムサシ。この地球には地球防衛隊・チームUと名乗る彼女達7人の女性に数人の子供達しかいない。
ある日バット星人が現れ、その他の人々を消し去ったのだった。

 再び現れたグビラ。怪獣はバット星人が怪獣墓場から連れ出したものだ。グビラはまた狂暴化している。ムサシはコスモスに変身するがゴメスも現れる!
ゼロは変身しろとタイガに言うが、タイガは頑なに拒否。痺れを切らしたゼロは無理矢理変身…

 がっ!ゼロのサイズは10mほど…★タイガに戦う気がないのでこんな事に…。
子供達には「チビトラマンだー!」と笑われる始末。仕方なくこのままで戦うゼロ。
けどやっぱりうまくいかない。何とかコスモスが二匹を大人しくさせる。帰って行く二匹。
だが二匹はバット星人によって粉々にされる。冷酷なバット星人…。

 …夜。チームUと子供達とで食事をし、タイガは子供達が描いたダイナの絵を見つける。
以前この世界に現れ皆を守っていたダイナだが…アスカは今何処に?

 …そして彼らの前に再びバット星人。そこにはゼットンの繭、そして石化したダイナの姿…
繭は人間の絶望の感情を吸収してどんどん成長、遂に繭からハイパーゼットン(ギガント)が誕生し火珠攻撃を仕掛けてくる!逃げ惑う子供達。
 ハイパーゼットンに怯える子供。それを見たタイガの様子が変わる…子供時代のタイガ、破壊された街に一人。泣き叫ぶ。ダイナは来てくれなかった。両親は死んだ。ウルトラマンは助けてくれなかった!
パニック状態に陥るタイガ…。

 …ウルトラマンになる事を嫌がる主人公…これは初。この辺りは重い感じでなく、タイガとゼロの漫才が展開されててかなり笑える。嫌がり方は駄々っ子の子供w。
こういう関係性、今までにないノリでまた観たい気がする。
 コスモスは全編ルナモード。今回は3人のバランス考えてか癒し系に徹してます。
ゲスト怪獣の選択が渋いw。グビラ可愛い。ゴメスを選んだのはやっぱり初のウルトラ怪獣の一匹だからかな?こいつはあのゴジラ(の着ぐるみ)を元に作られたから…う〜ん、ゴジラっぽいw。アーストロンといい怪獣らしい怪獣ですね。
 バット星人は随分イケメンになりましたw。声は東国原英夫!かなり加工されてるので聞いても気付かないけど、いい感じでしたよ。
夕食からハイパーゼットンのシーンに行く間が少し唐突。もうワンクッション欲しかった。
 中盤は笑えるシーンも多くてドラマ部分も退屈せず楽しめました。
そして後半、ハイパーゼットン登場にタイガのトラウマ…お話は一気にシリアスへ。

 …幼い頃のトラウマを思い出したタイガはこれが本当の自分、弱さだと自覚し憤る。
ふと目の前にある地球防衛隊のマークに目をやる…貼られているマークを剥がすと下には「山田工業」のペインティングが?

 気が付いたタイガにチームUは本当の事を話す。
 …人々がいなくなり残った者が集まってはみたものの、元は普通のOLや看護士、この世界での防衛隊の者も一人いるけど予備隊員…若い女性ばかりで迎い討つ術はない。
どうしようもない気持ちに絶望感から、7人は衝突する。
そこに不安そうに入ってくる子供達が…。
家族を失った子達を見て、アンナは自分達が地球防衛隊だと嘘をつく。優しい嘘。
そして7人はチームUを名乗り、彼女達なりに子供達を守って戦っていた。
 その後、ウルトラマンダイナが現れたのだったが…。

 アンナは、ダイナが一人でゼットンの繭に立ち向かい、石化した一部始終を見ていたのだった。タケルと共に。タケルはそのショックで口がきけなくなった。…この辛い事実を皆に話せなかったと告白するアンナ。

 …皆も苦しんでいるが戦っている…自分にできる事をやっている…
皆に、自分に言う様にタイガは叫ぶ。「ウルトラマンを信じろ!」そして自ら変身、ゼロとなり、コスモスとハイパーゼットンに向かって行く!

 タケルはまた何処かへ行こうとする。リーサが後を追うと、そこはダイナが最後に戦った場所。タケルは無我夢中で地面を掘り出す。ここに何かあるのか?
 ゼロとコスモスはハイパーゼットンに苦戦する。
 タケルが何かを見つける。それはダイナのリーフラッシャーだった。タケルはこれが落ちていたのを見ていたのだった。
駆けつけたアンナが石化して倒れているダイナの元にUローダーで届け、ダイナが復活!
3人でハイパーゼットンを倒す!

 …が、ハイパーゼットンはイアーゴへ成長。バット星人も内部に入る。素早過ぎる動きにより強力になった攻撃、光線技も効かない。
アンナの乗ったUローダーは墜落し、アンナは心肺停止状態になる。3人のウルトラマンも倒れ、変身解除してしまう。
タケルは声を振り絞り叫ぶ!「あきらめるなー!!!!」
3人は立ち上がった!「本当の戦いはこれからだ!」すると、3人が光に包まれ…ウルトラマンサーガとなる!
 アンナはリーサの懸命の治療を受け蘇生。ハイパーゼットン・イアーゴに苦戦するサーガを見て再びUローダーに乗り込むと、あのドラム缶爆弾の位置までハイパーゼットンを誘い込むよう誘導、穴に落ち込んだハイパーゼットン。形勢逆転、サーガはハイパーゼットンと地球外に出、止めの一撃を打ち込む!
 ハイパーゼットンは散り、無数の光が地球に舞い落ちる。…いなくなった人々が戻って来た!家族と再会をする子供達…。

 …元の世界(遊星ジュラン)に帰ったムサシは、怪獣達と家族との平和な生活に戻る。
火星基地ではスーパーGUTSのメンバーの前に現れ、メッセージを届け、また旅を続けるアスカが。
ゼロと分離したタイガはこのままこの地球で暮らすらしい…。地球に日本に灯が戻って行く…。

 …実は…『ダイナ』『コスモス』をまともに観てなく、『ウル伝』で勉強したという程度の私★そんなくらいでもこの映画はちゃんとついてけました。
久々の地球、オープンセット市街戦メイン。ここ2作と比べ、煌びやかさや派手さはないけど丁寧な作りです。
 公開前から色々言われてたAKBメンバー出演、「ユニフォームはキチンと着ろ!」と思ってましたが、これも伏線の一つでしたね。7人は少し多い気もしたけど熱演でした。とにかくリーダーのアンナを演じた秋元才加が良い!カッコいい!男前!もう変身してもよい!
ウルトラヒロインは芯が強いけど優等生的な面も強い人が多いんですが、この人達は素人なりの危うい感じが出てて、そこがまた良い。
ここがネックとなって観てないというのは勿体無いです!
 脚本はホント、言いたいやりたい事が今色々あって、伝えたい事があって…という感じ。今回は人間ドラマの比重が多いんですが、テンポいいし、ギャグも散りばめ、後半は重く悲しくそして熱いクライマックスで濃かったです。伏線も上手い。
 ダイナ…エライ扱いになってましたねw。そしてきれいになったカオスヘッダーさんw。
コスモスはたまにお話相手したりしてるのかも?普段まったり過ごしてるから今回はルナオンリーだったんだと脳内解釈w。
 ハイパーゼットンもサーガが追い込まれる程の良きラスボスでした。ちゃんとゼットン。
 「光・闇・絆・奇跡」なんて言葉使わずとも充分伝わりましたよ。この時期にヒーロー物を作る人達が真摯に自分達のできる事を描いていてとても好感が持てます。
 「ウルトラマンは僕らの心の中にいる」。


2012 tellme shigenaga