diary
キカイダー REBOOT

2014年5月27日鑑賞

 1972年にテレビ放送された石ノ森章太郎原作の『人造人間キカイダー』のリメイクです。
とうとうこの作品に手を出したかっ!!



 日本国はロボットを平和利用と経済再生のために積極的に活動させる、ARKプロジェクトを始動。
そのチーフリーダーのロボット工学の権威・光明寺ノブヒコ博士はアンドロイドのジロー=キカイダーを完成させる。一方、光明寺博士補佐の科学者ギルバード・神埼もアンドロイドのマリを作り上げた。しかし光明寺はこのプロジェクトの本当の目的がロボットの軍事利用と気がつく。
…1年後、光明寺は謎多い事故で亡くなる…。

 光明寺の子供であるミツコとマサル。仕事ばかりだった父の事を良く思っていない。ミツコは近々アメリカへ留学、マサルは全寮制の学校へ行くことが決まっていた。ミツコの前に現れた自称ルポライターの服部半平は、光明寺博士の死に疑問を感じ周辺を調べていた。
ある夜、2人の住むマンションに特殊部隊が侵入し、ミツコとマサルを拉致。マンション屋上で銃を向けられる。そこに現れた青年ジロー。彼は生前の光明寺に2人を守るという任務を与えられ、キカイダーに姿を変え、重機器ロボ・グレイサイキングと戦い倒す。アンドロイドのジローに脅えるミツコとマサル。
暫く半平の部屋に身を隠す。

 ARKプロジェクトの国防大臣・椿谷は光明寺が残した「光明寺ファイル」を探していた。ファイルはマサルの体内にあり、椿谷はどうしてもファイルを手に入れたい。椿谷に認められない神埼は一人焦り苛立つ。

 ミツコとマサルは部屋を抜け出し、父の恩師である心理学者の前野究治郎に会うため連絡を取るが、追手に見つかってしまう。
そこにジローが現れ、3人は人手の少ない場所に逃げる。そのうちに少しずつジローへの警戒心が解けていく2人。
しかし追手は3人を見つける。マリとジローが戦うが、良心回路を持つキカイダーは「守る」ための戦いはできるが、マリを「攻撃」することができず腕をもがれてしまう。様子を見つめていたミツコは、幼い頃に父からもらったロボットを思い出し、その姿をキカイダーと重ねる。
ミツコは戦う2人を止め、マサルと共にマリに連行される。
マサルの体内にある光明寺ファイルは摘出され、2人は元のマンションに送り帰される。
ファイルを手に入れた椿谷はARKプロジェクトを、兵器としてのアンドロイド開発のD・ARKプロジェクトに変える。椿谷の暴走はもう止められない。
お払い箱状態になった神埼は密かに新しいアンドロイドを製作、完成させる…。

 …力尽きたジローは前野に助けられる。
その後半平の知り合い、秋葉原の機械屋・本田によって修理される。ジローはミツコとマサルが無事に戻ってきた事を知る。もう2人を守る必要は、ない。
…影からミツコの様子を窺い街を彷徨うジローの前に、アンドロイドに自分の脳を移植した神埼…
ハカイダーが現れる。
D・ARKに戻れというハカイダーをジローは拒否。ハカイダーはジローを攻撃。そこにハカイダーを探していたD・ARKの特殊部隊が現れ、戦いは中断。
研究所に連れ戻されたハカイダーは椿谷に拒否され、ハカイダーは全てのものの破壊を宣言し脱走する。

 …そしてミツコがアメリカに留学する日が来た。
その頃ハカイダーはARKの施設を破壊、そのニュース知ったジローはある覚悟を決めハカイダーの元へ行く。
ジローはミツコ達を守るという任務ではなく、自分の「心」で皆を守ることを決意する。
ハカイダーと戦うキカイダー。しかしハカイダーの頭部に神埼の脳があると知るとハカイダーを倒すことができない。
…空港行きのバスに乗り込んだミツコだが、マサルに説得され半平と共にジローの所へ駆けつける。
だがそこにはハカイダーに圧倒されるキカイダーがいた。
さらにハカイダーの高周波発生装置(ギルの笛)で苦しむキカイダーはミツコに手をかけようとする。
耐えるキカイダーは遂に自らの良心回路を切ってしまう!!
制御のなくなったキカイダーはハカイダーを攻撃、ハカイダー(神埼)は光明寺を殺害したのは自分と告白。
そしてキカイダーはハカイダーに向け必殺技電磁エンドを使う…。
大爆発…。

 …ハカイダーは散り、キカイダーは…機能を停止する…。動かなくなったキカイダーを抱えたミツコは、いつか自分の手でジローを直すと心に誓う。
…椿谷とマリ。回収された誰かの脳。D・ARKプロジェクトは始動したばかりだ…。



 個人的にキカイダーには思い入れが強く、テレビ版漫画版両方ともとても好きな作品なだけに、今回は特に期待と不安が…。
お話はテレビ版のキカイダーと続編であるキカイダー01を混ぜて割って今っぽさを足した感じ。
キャスティング、ジローの入江くんはとても良かったです。
ロボットであるという演技で、アクションでも表情を歪ませることが一切なく徹底してました。
ミツコの佐津川愛観美さん、内向的でちと暗めの幸薄そうなオタ娘、笑顔もほとんど出ない役をしっかり演じていましたが、個人的にはもう少し華奢な人でもよかったかなあ?
光明寺博士が長嶋一茂氏…と聞いて不安でしたが意外とよく。本田博太郎さんはギルやるかと思いきやw。
半平=ハンペンが原田龍二さんというこれまた意外なキャスティングでしたが、時々オリジナルハンペンとしゃべり方似てたような?
サービス?として前キカイダー・ジローの伴大介さんも出演。一時期お疲れぽかったけど、少し戻っててよかったです。マリの高橋メアリージュンさんはスタイルもアクションも良く、次作があれば続けてビジンダーに変身してほしいところ。

 新しくデザインされ直したキカイダーやハカイダーは、今時ぽく顔がシュッっと細身なりましたが、オリジナルを壊さないデザインになってたと…いや、左腕の意味はよくわからんかったな。

 …で、映画自体ですが。
観始めた時は台詞もわかりやすく入り込みやすかったんですが、中盤以降からあれれ?と。
光明寺ファイル取り出した後、普通に2人を返すって!!ええっ??
そんな優しい悪の組織はじめて見たよ!!!!
そこから夢から覚めちゃって観ててどんどん矛盾というか引っかかりが目についてきて、気がついたらラストはこれ続編に続くかもよ!!みたいなw。
ええ〜★これなら最初から2部作でとか言ってくれた方がよかったのに〜!!!!

 これ結局、お話のほんの序盤でミツコの自分探しストーリだったという。
敵…というか、敵ってほどまだ何もしてないのでカタルシスないし、キカイダーとハカイダーの間のドラマや関係性も薄いし、良心回路の辺りで急に観念的になるし…なんだろ?任務で動いていたキカイダーが良心回路に縛られない、これからは皆のために戦う「ぼくらのキカイダー」になるまでのお話…だったのかな?
そもそも光明寺ファイルってどんだけ凄いのとか何が入ってたかもわからないし、切迫していたとは思うけどそんな狙われるようなもん息子に埋めるなって話だし、何で体内にあるのバレてたのってのもまるでわかんないし…。
ファイルの件は『キカイダー01』のお話から来てるんだけど、あれはプロフェッサーギルの息子の体に設計図だから、狂気の科学者ギルならしかねんとなるんだけども、今回は…う〜ん★
「父さん何してくれるんだよ!!」ですよ。
旧作の設定を残しつつ現代ぽさを入れてるんだけどそこがちぐはぐで。
ジロー=キカイダーの変身の設定もおかしいよね?劇中で説明してるだけに。

 アクションはスピーディでとても良かったんですが、どれもシチュが夜などで画面がとても暗く、ハカイダー戦なんかその暗さでハカイダーよく見えないし★ホント勿体なかった。
どれかを昼にするとか、ライティングで変化させるとかしてほしかった。

 最後スタッフロールで『ゴー!ゴー!キカイダー』が当時の写真と共に流れるけど今回出てないキャラはいるわ、曲と映画の雰囲気が全然合ってないわ…。他にリアタイ向けの小ネタや台詞があったけども中途半端だったし、子供向けにしてはドラマシーンがかなり長いし…この映画のターゲットちょっと謎。
オリジナルを大事にはしてたようには感じたんですが、中途半端でした。

 結論。色々愚痴ったけどこれ絶対続き作ってもらわな困る!!
D・ARKプロジェクトさらに暗躍、01誕生してマリはビジンダーに変身できるよう改造され何かが起こって迷ったり考えたりするよーになってワルダーとの交流があったりして、ハカイダーが復活して01ピンチのところでミツコが直したキカイダーが現れ…みたいな続編作ってくれないとっ!!
色々、消化不良でスッキリしないよおっっっ〜ヽ(`Д´)ノ!!

 あと1つ重箱の隅つつくよ。
あの時代ネタならカトちゃんの「ちょっとだけよ〜」か荒井注だろがー!!(怒)
…まあ「ちょっとだけよ〜アンタも好きねえ〜♪」ってタブー踊るジローは観たくないけどもw。


2014 tellme shigenaga