diary
シン・仮面ライダー

2023年3月18日鑑賞

 庵野秀明監督・脚本(その他諸々)の『仮面ライダー』の映画です!!


 秘密結社SHOCKERによってオーグメンテンションを施されてしまった青年・本郷猛。
SHOCKERの一員だった緑川ルリ子と共に組織を抜け出し追手の戦闘員と戦うが、猛は自分の変わり果てた姿と人間離れした余りある力に激しく戸惑う。
ルリ子の父であり、猛にオーグメンテンションを施した緑川博士が現れるが、博士はクモオーグに殺されてしまいルリ子は連れ去られる。
猛は「ルリ子を頼む」という緑川博士の残した言葉を胸に、様々な葛藤を抱えつつも仮面ライダーとしてSHOCKERと戦う…。


 『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』と来て、今回の『シン・仮面ライダー』です。
最速上映には行けなかったので一般公開初日に観ました。観客はおっさんばっかりでした。
ここ15年くらいの間、主に映画で色んな1号ライダーを見てきました。少々食傷気味です。
はてさて今作はどういう切り口の1号が見れるのでしょうか?
 やっぱり1号初期のダークで重いのかな?1号初期大好きだけど後味悪いのは嫌だなあ…。
『シン・ウルトラマン』より期待値低めで鑑賞。

 結論から言うと好きな映画です。好きだけど変テコな映画でした。
大まかなストーリーラインとか本郷・一文字・ルリ子のキャラが好きです。
 今回の本郷猛は頭脳明晰スポーツ万能ですがコミュ障です。優しすぎるのが欠点らしいのですが真面目で誠実な人なのが伝わってきました。
でもこの本郷さん子犬みたいに細かく震えてるのが気になった。役者の癖なのか演技プランなのか寒かったのか?
 一文字隼人は最初は漫画版みたいに敵として現れますが、洗脳解けてからはとてもいい奴で、大人しめな本郷さんの背中を押してくれます。飄々としてるけど魂は熱い男。初めて柄本佑さんをカッコいいと思いました。役者すごい。
 ルリ子は顔がよい。ボブも似合ってます。クールなできる女系かと思ってたらそうでもなく。
ちょっと元気のいい綾波レイって感じでした。
…今回も風呂に入れないとか騒いでた。庵野さんは「何で女性は2・3日風呂に入れないくらいであんなに騒ぐんだろう?」と思ってるのかも知んない。知らんけど。
フェチくさい撮り方はしてなくて(どっちかいうと人形ぽい)ホッとした…。

 あと本郷とルリ子の後をトコトコついてくサイクロン号が可愛かった!!まさかのサイクロン号が萌えキャラに!!
バイク大活躍!台詞にもシーンでも全編バイク愛に溢れてたのが好印象。
 映画は1号2号だけでなく昭和・平成ライダーや石ノ森先生の他作品、テレビ版やら漫画版の要素をあちこちに散りばめてありオタク的には元ネタ探しに忙しいw(漫画版要素が多く感じた)、ドラマティックな展開も石ノ森漫画の様でした。
 一番好きな画は、洗って干されてるライダースーツです。普通に洗濯可なんかーい!!

 この映画はPG-12指定です。『仮面ライダー THE NEXT』もPG-12)。
多分冒頭のやつが引っかかった思うんですが、暴力の嫌悪感を表現するにはこれぐらいの表現じゃなきゃダメかな、と。
ちょっとクウガ思い出した。(私的にはクウガの方がエグく感じました。)
 全体的に怪奇性が強いのかな?と思って観てたけど、それはなかった。

 今回のSHOCKERは人々を脅したり恐怖で支配するのでなく、悲しみや辛い記憶を封印して多幸感だけにしてしまうというやり方。
なんかカルト宗教な感じで今っぽい(脚本はあの出来事前に書かれてるんだろうけど)。
やってる事色々ヤバいんだけども、一般人がSHOCKERに染まってく過程とか省かれてて映画としては若干物足りない。
色々台詞で説明はあるものの、もう少しシーンでしっかり見たい部分があった。
…やっぱ2時間では尺足らず。10回シリーズで配信とかの方がよかったかも?
(各オーグの過去とかスピンオフで観たいくらい…ってイチロー主役の漫画がそれか?)
 SHOCKERの怪人にあたるオーグのデザインは『THE FRIST』に近くて解釈に新鮮味がない(同じデザイナーさん関わってるし)。生物ぽい毛が生えてるみたいなの期待したんだけども…無駄にカッコいいんだよね〜。

 お話が少し進むと、猛達のバックアップしてくれる政府の人と情報機関の人が出ます。
公開一週間は伏せられてましたが、23日にキャスト追加発表されました。
お馴染み、竹野内豊さんと斎藤工さんです。来るかな?と思ってたけど笑っちゃいました。
二人は最後に役名が明かされます。…そうきたかあ…。
でも何か協力者というより猛の力を利用してる気もするし、ハチオーグの件とか見ると間違ってはいないんだけどもなんか引っかかるというか信用していいんかなこの二人…。
最後まで謎くさかった…。
 そうそう、ハチオーグは脱会した宗教二世が入信中の仲間を脱会させようと説得に行く、って感じでした。
これもある意味、今っぽい。だがあんなのは百合とかじゃないぞ。

 他にも長澤まさみがやたらテンション高いサソリオーグだったり、松坂桃李さんがケイの声をしてたり、イチローの母が市川実日子さんだったり。
…まさみさんや桃李さん、実はエンドロール観るまで気が付かなかったんですが★
更にどこに出てたのかわからない人がいたよ…もう一回観たくなってきた。

 …クライマックスはルリ子の兄のイチローとのバトル。
この兄、猛との初対面で「(ルリ子と)ヤったのか?」と聞いてくるかなりキモイ兄です★
まあ過去に色々あって相当壊れてる人なんだろうけど。ルリ子にもただの妹だけじゃない感情持ってそうな雰囲気だった…。
 イチロー…仮面ライダー0号とのラストバトルはなんで柔道みたいになったんかなあ…もうちょっと強敵感欲しかったし、泥臭いライダーぽくないバトルだった…。
そんでなんで頭突きマスク割れやねーん!!ワラタわ!!
クライマックスなのに燃えが足らん!燃えが!!
CGも最近のライダーの方がよくできてるよなあ。ワザとチープにしてるのかなあ?
あと、台詞聞き取れないトコが何箇所かあった。

 ちゃんとライダーや石ノ森ぽさもあるけど所々でエヴァぽさがちらほら…。
サービスサービス!でワザと組み入れてるのか引き出しがないのか知らんけど、終わったんだからもうええわ!!

 漫画版にもあったようなラストシーンは好きですね、爽やかだったし。
エンドロール子門真人連発はリアタイ世代にはいいけど、若い人達には古臭いと思われたかも…。
ここは最近の歌手使ってもよかったんやよ。
全体的には好きだけど、妙なトコもある…という不思議な映画でした。
庵野さん、『シン・ウルトラマン』の時も思ったけど、だいぶ上向きになったなあ…。
対話、大事。

 …観ておなかいっぱいになったので、1号ライダーで何かするのは暫くいいかな。
あと東映は昭和ライダーと平成ライダーの対立煽ったの反省しろ!!
石ノ森ヒーローを敵に変えて出したのも反省しろ!!
リスペクトとはこうするものだ。(最後脱線★)


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