『鉄の爪』
1951年2月24日公開
製作・大映 配給・大映
ある夜、都会の住宅街で男が殺害される事件が起こる。目撃者で被害者の情婦・雪江は「犯人は
ゴリラの様な獣人だった」と話す。
警察は捜査で戦争未亡人である雪江の夫・田代が生きていた事をつきとめる。
教会の戦災孤児の園で働く田代を訪ねる刑事。田代は新しい生活を始めた雪江を諦め、会うことはないと語る。
怪しい所がない田代だが、戦時中南方ジャングルで巨大なゴリラに肩を噛まれ、傷口にゴリラの
毒素が入った事で、身体に異変が起こる体質になっていた。
そして第二の殺人事件が起こる…。
モノクロのスリラー映画。冒頭、『獣化妄想とは?』という解説が入ります。
何かのきっかけで狼男みたいに変身する映画と思って観ていたら、主人公田代は大きな音や
アルコールなどの刺激物で、閉じ込めていた内面心理が爆発して獣になったと思い込む、という話でした。
結局、田代も雪江も戦争で運命が激変した犠牲者。教会の娘正代さんも報われない…。
田代役の岡譲二さんが原案を手がけたとの事。ちなみに岡譲二さんの息子さんは『人造人間
キカイダー』でサブロー(ハカイダー)を演じた真山譲次さんです。
『鉄の爪』
呑んでも呑まれるな!
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