『透明人間現わる』
1949年9月25日公開
製作・大映京都 配給・大映
中里科学研究所の中里博士は、物体を透明にできる薬の開発に成功する。
弟子の瀬木と黒川は博士の娘・真知子に思いを寄せているが、真知子は二人からの交際の申込みを断る。
ある日中里博士、続いて黒川も行方不明になる。
数日後顔全体包帯姿の男が宝石店に現れ、中里博士の名刺を出し「アムールの涙」というダイヤの首飾りを譲るよう支配人を脅す。
支配人が断ると男は包帯を取る。男は透明人間だった!
透明人間の登場に世間は騒然となる。透明人間の正体は中里博士なのか?
モノクロ映画です。透明人間と言えばH・G・ウエルズのSF小説の包帯グルグル姿が基本イメージ、この映画の透明人間もこのスタイルで登場します。特殊撮影は円谷英二さん。
この頃の円谷さんは公職追放によって東宝を辞職し、フリーとして活動していた時期。
円谷さんはその後東宝に復帰し、この作品から5年後に『透明人間』(1954年)を撮りました。
同じモチーフの2作品、特撮表現の違いや進化を観比べてみるのも面白いかも。
お話は東宝の『変身人間シリーズ』の原点ぽかったです。怖いのは透明人間でなく、それを利用
する人々の黒い欲望…。
黒川の妹役の水の江瀧子さん(歌劇団のスター・男装の麗人!)が美味しい立ち位置でカッコ
よかった。
『透明人間現わる』
事件後・愛の行方
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