『空の大怪獣ラドン』
1956年12月26日公開
製作・東宝 配給・東宝
九州阿蘇山付近の炭鉱。ある夏の日、坑道内で水が出たと報告が入る。
炭鉱技師の河村らが向かうと、惨殺遺体が見つかる。行方不明の炭鉱夫・五郎が犯人なのか?
警官と炭鉱夫の四人が五郎を探しに向かうが、四人とも無惨な遺体で発見される。
五郎の妹・キヨは村人から白い目で見られるが、ある夜巨大なヤゴの様な生物が現れる。
殺人事件の犯人はこのメガヌロンだった。
自衛隊が到着し坑道内のメガヌロンを攻撃するが、落盤が起こり河村は閉じ込められてしまう。
その後阿蘇山で地震発生。陥没場所で河村が見つかるが、完全記憶喪失になっていた。
一方、東アジア各地では超音速で飛ぶ未確認飛行物体が目撃され、旅客機の墜落・家畜の被害などが相次ぐ。
更に阿蘇山噴火口付近で行方不明になったカップルが撮ったカメラのフィルムには、古代の翼竜・プテラノドンらしきものが写っていた。
その頃、河村は飼っている鳥の卵を見て全てを思い出す…。
東宝初のカラー特撮怪獣映画です。炭鉱に夜のシーンの多い陰惨な殺人事件のサスペンス風な序盤から、真夏の空を超音速で飛ぶ謎の飛行物体への流れ…構成が絶妙です。
ラドンがなかなか姿を見せないのがじれったいですが、それまでの流れが見事なので、登場した
時は「待ってました!」という気持ちに。メガヌロンもキモくて良い。
そしてこの作品最大の見せ場であろう福岡のシーンは、精巧な街のミニチュアに舞い上がる瓦の
細かさ、焼けた街の臭いに埃っぽさまで伝わってきます。
ラストのラドンの最期…偶然撮れたという奇跡の羽ばたきは、様々な思いを抱く名シーンです。
温暖化や原水爆実験、水質汚染にも触れています。
阿蘇山噴火の溶岩、本物の溶鉄を使ったってのも凄い話です。
『空の大怪獣 ラドン』
『空の大怪獣 ラドン』メガヌロン
とあるメガヌロンの生涯
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